京都大阪の医学部専門英語講師ブログ

対面、オンラインで意欲ある医学部受験生のための医学部受験英語を指導しています。2023年度中に医学部専門予備校の設立を予定しています。

2022年度 奈良県立医科大学 前期入試 解答速報 英語

 

本日行われた奈良県立医科大学前期入試の英語の解答速報を作成しました。受験生のみなさんお疲れさまでした。「トリアージによる奈良医大入試方式」の出題方針に沿った問題でした。奈県医は60分で解答し尽くすのが本当に大変だと思います。受験生のかたは今日の結果に一喜一憂せず、明日の面接に落ち着いて臨んでくださいね。

 

 

igakubu.hatenadiary.com

 

 

共通テスト9割越えは灘、西大和、東大寺でも数名しかいない

大手予備校が発表した共通テストの平均点は数IAで38点など、歴代最低の点数だったと予想されています。

合計では50点から60点下がるのではないかと言われていますね。

それでも最上位の受験生は9割を超えている可能性があるかもしれないと思っていましたが、そうではないようです。

例年なら数十人はいる9割超えの生徒の数が、関西の進学校でもほとんどいないという話を聞きました。

自己採点で9割を超えているのは、灘9人、西大和4人、洛南数人、甲陽数人などどの高校でも数名。

8割を超えているのが、灘100人、西大和80人、洛南80人、東大寺80人という数字のようです。

例年なら9割を超えている人が8割5分に、8割後半の生徒は8割少し、8割前半の生徒は7割5分というように成績上位者でも全体に数十点下げています。

関西の私立進学校では、8割の得点帯の中にほとんど全ての受験生が入ってしまっているという状態です。

受験生の自信のなさを反映して、センターリサーチに書く第一志望の出願人数も低めに出るでしょうが、今年はここから志望を上げる受験生が続出します。

センターリサーチの結果を見て、自分だけではなく他の受験生も十分には得点できていないと知った受験生が、出願先を上げるからです。

非医学部では8割前半でも東大、京大には出願します。

地方国公立医学部は、7割5分前後でも戦えそうです。

何が何でも旧帝に出願するという受験生は早めに出願していいと思います。

地方国公立医学部を志望している受験生は、他の受験生の出願動向や倍率を見ながらギリギリまで待って出願することをおすすめします。

今日の13時に河合塾のバンザイシステムなど合否判定のデータが発表になります。

まずはこれを見て、冷静に状況を判断してください。

 

国公立医学部受験生は高2で共通テスト同日模試を受験すべき

 

今日は共通テストの第一日目です。

午前から社会、午後から国語、英語の文系科目の試験が行われています。

共通テスト2年目で、全体的に問題が難化すると言われているなか、全国の試験会場で53万人の受験生がこれまで勉強した成果を発揮しようと必死に勘張っています。

高校1年生は受験まであと2年、高校2年生は受験まであと1年に迫ってきました。

センター試験の時代には、自分が教えている受験生に同日模試を受験してもらうメリットをあまり感じていませんでした。

でも、去年第一回の共通テストが実施され、これまでの一年間、国公立医学部の受験生や私立医学部の受験生を指導してきて、特に高2がちょうど一年前の同日に共通テスト模試を受験するメリットを本当に感じてきたんですね。

大学入試センターが実施するテストは、過去に2度大きな入試制度の変更がありました。

共通一次試験からセンター試験への変更と、センター試験から共通テストへの変更です。

大きな制度変更があった場合には、平均点が落ち着いたり、問題形式が落ち着くまで2、3年かかります。

共通一次試験からセンター試験に変わった時にもそうでした。

だから、共通テストに変わる時にも、難易度、平均点、出題形式が落ち着くまで毎年少しづつ変更があるだろう。

でも、全国の受験生は同じ条件なのだから、自分が教えている受験生も特別不利になるわけではなく特別な対策は不要だ。

特に高校の先生はこう考えてしまうんですね。

予備校の先生もほとんど同じです。

特別な対策をしようとしても問題の難易度や出題形式が決まっていないのだから特別な対策をしようがない。

意欲的な講師は必死に次年度の難易度、出題範囲、出題形式を予想して生徒に対策を施しますが、予想が外れることも多いので効果は疑問です。

大手予備校で行われる冬期直前講習を受講すれば、講師からそういう予想を聞いて少しは対策できるかも知れません。

直前に傾向の変更の予想を聞いても、その予想に基づく対策を十分にしなければ試験当日に問題は解けないのだから、予想が当たっていたらその講師の評判は上がるかも知れませんが、当たった予想を聞いていた受験生にどれだけのアドバンテージがあったと言えるのか。

共通一次試験の時代の記憶が強く残っているのか、二次試験こそが受験勉強の中心で、共通テスト対策は各自の努力に任せるという先生が多すぎるように思います。

その点、奈良の西大和高校はさすがというか、昨年度高3は週に1時間共通テストリーディング対策の授業を、1時間は共通テストリスニング対策の授業を行っていました。

西大和高校は、東進ハイスクールの共通テスト同日模試を高2には全科目、高1には国語、数学IA、英語、理科基礎を受験させているようです。

私立進学校は高1で、数学IA、理科は基礎科目くらいは学習しているので全科目でなくても受験させるメリットがあると考えているのですね。

大受験生にとっては二次試験のリスニングは重要科目なので通年でリスニングを重視しているということなんだろうと思います。

しかし関西の私立高校でもリスニングはまだまだ軽視されていますね。試験時間は30分ですが、100点あるわけなので、古文、漢文の倍、地歴公民、理科と同じだけの配点があるというのに。

国公立医学部の受験生でも全ての科目を完全に仕上げて受験に臨む人ばかりではないので、古文が半分くらいしか取れない、地理がどうしても高得点取れないという受験生も多いわけですが、数学理科がある程度仕上がっていれば直前に鬼勉強で足を引っ張らない程度には得点できるようになります。

でも直前の勉強でどうにかなるかどうかは運ゲーなわけです。

知識を入れきってしまってもどうしても地理の成績が上がらない。古文の文法と単語を入れても、問題が難しければ解けない。

そしてリスニングは直前に対策しようとしても上がりません。

高校の先生も、本人もどうにかなるだろうと甘く考えていたのに、直前に鬼勉強してもどうにも無理ということが共通テストでは特に起こるようになっていると感じます。

共通テストの難易度、出題形式はまだ定まらない、高校の先生も甘く考えていた、受験生も甘く考えていた、予備校の直前講習も効果があるかどうかわからない。

こういう不確定な要素ばかりの中で、確実に行えることは何でしょうか?

一つだけ確実に言えることがあります。

それはできるだけ早く本格的な対策を開始するということです。

高校1年生なら2年後、高校2年生なら1年後に自分が受験する共通テストが実施されるということだけは確実に決まっています。

試験までに残されている時間は全ての受験生にとって同じです。

できるだけ早く自分の学力の現状を把握して、本格的な受験勉強を始めること。

2年後、1年後に実施されるのと同じ試験を受けてみて、まず自分の現在の学力を把握することです。

本格的な受験勉強の開始時期が早ければ早いほど、当日に高得点を取れる可能性は上がります。

得意科目はできるだけ早く仕上げてしまい、不得意科目は試行錯誤の時間を取れるように受験計画を立ましょう。

そのスタートを共通テスト同日にするのは理にかなっています。

全国で50万人以上の受験生が受験し、メディアでも試験会場の様子が報道されるので、自分が1年後に試験会場で受験するイメージを作りやすい。

共通テストになってテスト問題が特に思考力が問われるようになり、難易度や出題形式が定まっていない状況では、同日模試を受講する意味はますます高まっていると言えます。

河合塾代ゼミでも類似のイベントが行われているようです。

もちろん予備校は集客のために行なっているイベントですが、利用しやすい予備校を選んで、ぜひ受講するといいと思います。

解説授業が受けられるのもいいでしょうし、受験した高2生の中での自分の位置が把握できることもメリットです。

関西の私立高校でも、共通テスト同日模試を生徒の紹介して最寄りの予備校で高2に受けさせるところが出てきました。

奈良県では西大和高校、奈良学園、大阪では大阪桐蔭が高2に共通テスト同日模試を受験させています。

今年はもう間に合わないとうい人は、共通テスト実施後に、大手予備校のウェブサイトで共通テスト問題、講評、解答が発表されます。

実際のマークシートはウェブサイトからは入手できないので、自宅にあるマークシート付き問題集のマークシートをコピー用紙に印刷して解答するといいと思います。

共通テストではマークシートを手早く丁寧に塗ることも必要とされている技術なので、適当に時間を測って問題冊子に解答するだけというやり方はおすすめしません。

正確に時間を測って、自宅で解答するというやり方でも相当効果はあると思います。

私が指導している新高3(現高2)には来週の授業までに、共通テスト同日模試を受けるか、自宅や塾・予備校の自習室できちんと時間を測って問題を解くように指示しています。

河合塾では「大学入学共通テストチャレンジ」という名前で同様のイベントを実施しています。これはまだ申し込みが間に合うようです。

医学部以外の旧帝志望者、国公立医学部の志望者はぜひこのタイミングを活かして、共通テストの同日模試を受験して、確実にできる受験対策、早めに本格的な受験勉強を開始してください。

 

 

www.kawai-juku.ac.jp

www.toshin.com

www.yozemi.ac.jp

 

新型コロナ対応で共通テストなし、二次試験なしでも合否判定。判定材料がなければ再度の追試も実施し4月以降入学も

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文部科学省から全国の国公私立大大学の学長に向けての依頼が発表されました。

すでに報道されていますのでご存じかもしれません。

 

新型コロナに感染あるいは濃厚接触で、共通テスト、二次試験が受験できない生徒が出た場合には、

  • 共通テストなしでも合否判定せよ
  • 二次試験なしでも合否判定せよ
  • どちらもなければテスト以外の材料で合否判定せよ
  • 不可能なら3月26日以降に二次試験の再度の追試を実施せよ
  • 入学が4月1日以降になっても構わない

という内容です。

新型コロナ、特にオミクロン株の感染者の発生状況から考えて、共通テストや二次試験を受験できない受験生が発生する可能性に備えての対応です。

大学入学共通テストを課している大学について、大学入学共通テストの本試験及び追試験いずれも受験できなかった受験生が出た場合に、個別学力検査、 調査書等により合否判定を実施すること 

新型コロナに感染あるは濃厚接触などが理由で、共通テストの本試も追試も受験できなかった受験生は、二次試験や調査書のみで合否判定を行うということですね。

出願した大学の個別学力検査の本試験、追試験及び別日程への振替のいずれも受験できなかった受験生が出た場合で、当該受験生が大学入学共通テストを受験している場合に、大学入学共通テスト、調査書等により合否判定を実施すること 

また共通テストは受験できても、二次試験を受験できなかった受験生は、共通テストと調査書などのみで合否判定を行うということです。

出願した大学の個別学力検査の本試験、追試験及び別日程への振替のいずれも受験できなかった受験生が出た場合で、当該受験生が大学入学共通テストの 本試験及び追試験いずれも受験していない場合に、当該受験生を対象とした再度の追試験の機会を設定し、個別学力検査を課す選抜を実施するか、それが困難な場合は、受験生本人が記載する活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書や、小論文、面接、調査書等を組み合わせた選抜を実施すること 

これは、共通テストも二次試験も受験できなかった場合には、再度二次試験を実施するか、学力試験以外の方法を組み合わせて合否判定するということです。

対象となる受験生の再度の追試験を令和4年3月26日以降に実施し、当該試験期日に応じて、 入学時期が4月1日以降になることもあり得ること

また再度の追試験は3月26日以降に実施し、入学時期が4月1日以降になることがあるということです。

万一の場合に備えて、救済措置が要請されたことは心強いですね。

でも、この依頼を受けて、全国の国公立大学がどのような対応をするかはまだわかりません。

共通テストと二次試験の両方を受験した受験生と、共通テストと二次試験の片方だけを受験した受験生の成績を見て、どう合否判定するのか。

共通テストと二次試験の両方を受験できなかった受験生がいた場合、国公立大学医学部が学力試験以外の判定基準だけを用いて、合否判定を行うのか。

共通テストと二次試験の両方を受験できなかった受験生がいて、学力試験以外の判定基準で合否判定が難しい場合、最後の追試験を実施することは可能なのか。

私立大学医学部の共通テスト利用試験に出願している受験生が、共通テストを受験できなかった場合に、共通テスト以外の判断材料で合否を判定するのか。

他にも不明点はありますが、受験生はこれまでと同じように、基本的な感染対策を徹底しながら落ち着いて勉強してください。

急いで対応が検討されているところだろうと思います。

共通テストまで3日です。

全国の国公立大学は、共通テスト実施の準備を行なっているでしょうから、この依頼を受けての対応の発表は共通テスト後になるのではないかと思われます。

受験生本人が感染しないようにこれまで以上に注意することはもちろんですが、同居家族の方にも一層の注意をお願いします。

www.mext.go.jp

共通テスト1日目の自己採点は百害あって一利なし

私が指導している受験生には毎年言っていることです。

共通テスト1日目の夜に自己採点するのは百害あって一利もありません。

やめた方がいいです。

強い言葉を使うと、愚の骨頂ですね。

受験生の気持ちもわかるんですよ。

模試や予想問題パックは解いたその日に自己採点しますから。

結果はすぐ知りたい。

できない問題があったけどひょっとしてできていたかもしれない。

会心のできで、いつも以上に得点できた気がするからすぐに点数を知りたい。

こういう気持ちですね。

でも、共通テスト(センター試験)の本番は違うんです。

翌日には二日目の試験が待っているわけです。

模試や予想問題パックは、結果が悪くても本番ではないんだから、心の中で言い訳ができます。

  • これは本番じゃななくて模試なんだから
  • 予想問題パックなんだから
  • 本番ではもっと得点できるはずだ

どれだけ点数が悪くても、たとえ根拠が薄い自信でも、まだ前向きに考える余地があります。

しかしこれは共通テスト本番ですよ。

もし失敗してしまって、その日の夜に結果を知ってしまったら、翌日の試験に向けてモチベーションを上げられる人はいません。

試験最中に緊張するのはもちろんですが、もっとも緊張するのは自己採点に取りかかる時です。

過去1年間の学習結果を知ることになるし、志望校に出願できるかどうかに直面することになります。

1日目の夜に大手予備校が解答速報を発表しますが、見ないようにしましょう。

昨年度と比べて問題が易しかったから難しかったか、予備校が講評を発表しますが、これも見ないことをおすすめします。

その気がなくても、SNSで、講評や受験生の感想が流れてきて目に入ってしまうこともあります。

2日目の朝刊にも解答速報が載りますが、これも目に入らないようにしてください。

これも見るのはやめた方がいいです。

自己採点の結果、悪くない点数だったとしても小さな取りこぼしは必ず起こります。

これはそういうものです。

もっと取れたはずなのに取れなかったという気持ちが翌日に悪い影響を残しますから。

じゃあ、絶対の自信があって1日目の結果はきっといいはずだと予想できる場合はどうでしょうか?

この場合でも2日目の試験の前に、1日目の試験科目の自己採点は有害です。

1日目の科目が思った以上に得点できた場合には、これで大丈夫だという気の緩みが出てしまうからです。

私の場合はこれでした。

当時は1日目に、英語、数学、国語が実施されていました。

また当時はインターネット以前の時代だから、1日目と2日目の夜にテレビで解答速報の番組が放送されていたのですね。

自分が予備校で習っている先生がテレビに出演し講評を行って、解答速報が発表されるのだから何の疑いもなく自己採点しました。

周りの友人たちもみんな1日目の夜に自己採点していました。

共通テスト(センター試験共通一次試験)の1日目に自己採点することの有害性が認知されていない時代でした。

自己採点の結果、満点を狙いにいった英語は予想通り200点、一番苦手で直前でも本当に苦労した数学は過去最高点の160点、得意だった国語は1問ミスで197点。

模擬試験でもこんな合計点数は取ったことがありませんでした。

本当にうれしかった。

でもこれが良くなかった。

初日で93%も取れると思っていなかったので、完全に安心してしまったんですね。

2日目は社会が2科目(合計200点)、理科が2科目(合計200点)。

当時は1000点満点の時代です。

1日目にこれだけ取れれば、目標の83%は取れるだろう。

社会と理科は、これまでの模試で取っていた点数を下回っても目標点数は取れる。

こう思って、家族と夕食を食べているときにリビングのテレビで放映されていた映画を見始めました。

前から見たいと思っていた映画です。

最初の10分で引き込まれました。

夕飯は9時半には食べ終わっています。

勉強部屋に行って、2日目の社会と理科の勉強をしないといけない。

でもこの映画を最後まで見てしまったんです。

今調べてみました、143分もある映画です。

9時に始まったので、11時半まで観ました。

本当に面白い映画でした。

これまでに見た映画の中で自己ベスト5に入る映画です。

社会と理科は暗記科目です。

その時間に復習をしていればよかった。

映画を観たあと、すぐに寝ればよかった。

でも1日目の点数が過去最高によかったことと、映画が面白かったことで興奮しているのか寝付けないわけです。

結局眠れたのは午前2時。

試験会場は遠く、会場近くは雪の予報が出ていたので5時台には起きないといけません。

2日目の社会と理科の手応えはよくありませんでした。

でも1日目の点数があるから、きっと大丈夫だろうと思っていました。

でも帰宅して自己採点したら、世界史が28点だったんです。

生まれて初めての点数に、生まれて初めて、文字通り膝から崩れ落ちました。

1日目のアドバンテージは吹き飛んでしまい、合計点数は80%になりました。

結果、志望していた京大は受験できなくなってしまいました。

原因は前日の過ごし方だけではなかったと思います。

でも自己採点さえしなければ。

1日目の点数を知って気が大きくなって最後まで映画を見て夜更かしさえしなければ。

ひょっとしたら。

その気持ちがなくなりません。

なので、受験生のみなさんには共通テスト(センター試験)の1日目の夜には自己採点しないことを心からすすめています。

点数が悪かった場合はもちろん悪影響があります。

でも点数が良かった場合にも慢心してしまうことがあります。

受験生には私と同じ間違いを繰り返してほしくありません。

 

では、どう過ごすのがいいかですね。

これはいつも通りに過ごすのが一番です。

勉強するなら暗記科目はどうですか?

ほとんど覚えている項目を復習することで、気持ちが落ち着きます。

模試は本番のように、本番は模試のように。

1日目の夜に自己採点をして、人生最大の絶望とか、人生最大の興奮を経験することは翌日の試験結果に必ず影響します。

そしてその影響がプラスに働くことはまずありません。

 

 

ほとんどの受験生が共通テストの自己採点を間違えている

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共通テストがあと数日に近づいてきました。

高校や自宅で共通テスト模試や、予想問題パックを解いている受験生が多いと思います。

私は医学部専門予備校や私立高校で講師をしているので、生徒全員に共通テスト模試や共通テスト予想問題パックの集計結果を見ることがあります。

このときに痛感するのは、受験生の自己採点が本当に不正確だということです。

共通テストの得点は4月以降にならないと開示されません。

試験後に自己採点して、大手予備校の共通テストリサーチ(センターリサーチ)に出さなければなりません。

しかし、受験生の自己採点は思っている以上に不正確なのですね。

先週、出講している私立高校で300人規模の共通テスト予想問題パックを実施しました。

実施当日に、高校のマークシートリーダーで採点し、生徒の自己採点と照合した結果、一致していたのは300人中たった1人。

ほとんどの生徒が数点ズレています。

そして最大で40点ズレている生徒がいました。

共通テスト後の志望校選定には正確な自己採点結果が欠かせません。

数点差ががあるだけで合格可能性の判定にズレが出ます。

さらに恐ろしいのはそのズレに気づくことができないことです。

いったん自分で採点して出した数字は、正確な数字だと一人歩きし始めるのですね。

出した数字をあとで振り返って、不正確だったかもしれないから安全に出願先を決めようと思う人はまずいません。

自己採点が終わって、自分の得点だと思った数字は、そのまま予備校の共通テストリサーチ(センターリサーチ)に記入して提出します。

共通テストでは問題冊子を持ち帰ることができるので、マークした解答は自分の問題冊子に正確に転記しておきましょう。

必ず問題冊子に丸をつけたあとに、マークシートにマークしてください。

見直ししたあとにマークを変更する場合も、問題冊子に変更を記録してからマークシートのマークを変更してください。

浪人生は身に染みてわかっていることですが、特に地方国公立医学部の倍率はその年の共通テスト(センター試験)の結果で大きく変動します。

旧帝ガチ勢でも、数点不足しているために出願先を単科医大に変えなければならないことがあります。

地方国公立の場合にはその数点で受験する地域まで大きく変わってしまします。

数点不足していると分かれば、受験校を変更することができますが、自己採点が不正確な場合、最後まで自分はその点を取ったと信じてしまっているので安全な大学を選ぶことができません。

問題を正しく解くことはもちろん重要です。

しかし自己採点が正確にできるかどうかということも受験結果を左右するのです。

試験時間終了間際にギリギリ答えが出てマークシートにマークしなければならないこともあると思います。

それでも自分の問題用紙から鉛筆を離す前に、自分が選択した問題に丸をつけてください。

あと意外と多いのが、問題用紙にはせっかく正しく計算しているのに、問題用紙の選択肢に丸をつけるときに、不正解の選択肢に丸をつけてしまうというミスです。

模擬試験や予想問題パックを解き終わった直後に、解答を見ながら採点をしているときに悲鳴をあげている受験生がいます。

試験後に大手予備校が共通テストの解答速報を出します。

翌日があるので1日目の夜に採点するのはおすすめしません。

気になって2日目の夜に採点する人が多いと思います。

2日間試験を受けたあとなので、疲れているでしょう。

ここでもミスが起こる可能性があるので注意してください。

  • 試験時間中に自分がマークした解答を確実に記録に残す
  • 解き終わった問題は問題冊子の正しい選択肢に丸をつける
  • 自分の問題冊子で丸をつけた選択肢を正しくマークする
  • 試験後、自分の問題冊子を見ながら正確に採点する
  • 不安な人は計算機を使って正しく合計点数を出す

 

www.keinet.ne.jp

 

 

共通テストで最悪の失敗は解答科目欄のマークミス

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共通テストで最悪の失敗は解答科目欄のマークミスです。

しかも自己採点したあとでも、気づかずに出願してしまうことがありえることを考えると考えられるうる限りまさに最悪のミスです。

共通テスト(センター試験)では、受験番号、氏名、試験場コードの記入もれは救済されます。これは大学入試センターが公式に発表しています。

記入漏れや記入間違いがあった場合には、解答用紙に書かれた情報(受験番号や氏名)や試験室の座席位置から個人を特定できた場合に限り、採点します。

共通一次センター試験の初期には救済されていませんでしたが、不備のために不合格になる受験生があまりに多いため救済されるようになりました。

試験終了ギリギリや試験後に、万一記入の不備に気づいても安心してください。

不安で次の試験の集中力なくしてしまったりする必要はありません。

しかし、どうやっても救済されないのは選択解答科目欄のマークミスです。

  • 地歴公民
  • 理科①、理科②

では選択科目もマークミスが起こりやすく、これは試験室の座席位置から個人が特定できたとしても救済できません。

  1. 第一解答科目のマーク欄に2科目分をマーク
  2. 同一名称を含む科目の組み合わせで2科目をマーク
  3. 第一解答科目と第二解答科目のマーク欄に同じ科目をマーク
  4. 1つの解答科目欄に2科目分をマーク
  5. 2つの解答科目欄に同じ科目をマーク
  6. 2つの解答科目欄のうち1つの解答科目欄にだけマーク

これらの場合、

  1. 2科目とも0点
  2. 第一解答科目には選択した科目を通常通り採点。第二解答科目は0点
  3. 第一解答科目には選択した科目を通常通り採点。第二解答科目は0点
  4. 2科目とも0点
  5. 高得点の方を解答科目として取り扱い,他方は0点
  6. マークのある科目のみ採点し,もう一方の科目は0点

特に5については、なんとしても受験生を救済しようとする大学入試センターの温情を感じます。しかしこれ以上はどうしようもありません。

統計を取る方法がないので正確な数字は分かりません。しかし毎年多くの受験生が解答科目欄のマークミスで採点不能、二段階選抜で足切り、受験した大学で不合格になっていると思われます。

「開始してください」と試験管から声がかかると、一秒でも試験問題を見たいので問題冊子を開けて解答したくなるの受験生の心理なのはよく分かります。

でも、最初に正確に解答科目欄に正確にマークしてください。

そして試験時間の終わりにも、正確にマークされているかもう一度チェックしてください。

これまで一度もこんなミスをしたことがないから大丈夫と思うかもしれません。

でも47万人の受験生の100人に1人がミスしたとして4700人、200人に1人としても2350人です。

絶対に9割は取らなくてはいけない、事故っても8割5分は取りたいと思う受験生が、

緊張のあまりそれまでしたことのないミスをしてしまうことがあります。

一瞬のマークミスで、200点、100点が吹っ飛んでしまうかもしれません。

くれぐれも解答科目欄のマークミスには注意してください。