京都大阪の医学部専門英語講師ブログ

対面、オンラインで意欲ある医学部受験生のための医学部受験英語を指導しています。2023年度中に医学部専門予備校の設立を予定しています。

去年平均点の低かった科目は難化しやすい

共通テストが土曜日に迫ってきました。

医学部受験生は緊張感を持って最後の調整をしていると思います。

あと数日でできることはそんなに多くありませんが、数学2Bと生物には注意をしてください。

共通テスト初年度の去年は、前年度と比べて、数学2Bでは10.9点、生物では15.08点も平均点が上がりました。

受験には隔年現象と言われているものが2つあります。

  • 前年度出願者が多かった大学、学部学科は出願者が減る
  • 前年度平均点が高かった科目は難易度が上がる

1つ目は受験生の心理としてよく理解できます。これは医学部だけでなくどこの大学でも同じです。

もちろん隔年現象に左右されない大学もあります。

何があってもその大学を受験したいと考えている受験生の多い旧帝医学部はそうです。

しかし共通テスト(センター試験)の結果を見て、合格する可能性が高そうな大学を選ぶことの多い地方国公立大学の医学部ではきれいに隔年現象が見られます。

時代が変わっても受験生の心理は大きく変化しません。

2つ目は共通テスト(過去には共通一次センター試験)でよく見られることです。大学入試センターの出題委員はテスト問題を作成する前に目標とする平均点を決定して策問します。

でも予想が外れてしまって平均点が目標と比べて大きく下がってしまう、あるいは上がってしまうことがあるのですね。

すると翌年は前年度を反省して、前年度平均点が下がり過ぎてしまった科目は問題を易しく作り、上がり過ぎてしまった科目は問題を難しく作ろうとする傾向があります。

共通テスト(センター試験)は日本で最もたくさんの受験生が受験するテストですから、最も公平性が問われています。

だから同じ年度の科目間のでの極端な平均点のバラツキがないように、そして毎年の平均点に大きな違いが出ないように作問者は知恵を絞るわけです。

去年の共通テストの問題を解いて数学2Bと生物の点数が異常に良くて気を良くしている医学部受験生は注意してください。

共通テストは過去に1度しか実施されていないために、予備校も出版社も平均点が低かった科目は、過去問よりも難しい問題を出題しています。

こんな問題は出ていないと受験生を甘やかすような先生もいます。

受験生は常に不安なので、それなら復習しなくてもいいと思ってしまうかもしれません。

必ず今年合格したいと思っている医学部受験生は、あと数日で、これまでに受けた模試や、解いた共通テスト予想問題パックで間違えた問題を中心に復習をしてください。

 

www.keinet.ne.jp

 

www.dnc.ac.jp

共通テストに向けてコンディションを整える

今週末には共通テストが実施されます。

過去に共通一次試験からセンター試験に切り替わったときにも、3年目までは難易度が安定せず、一部科目では問題が難しくなりました。

共通テストも本来は平均点を50点程度にすると正式に発表されていました。しかし、昨年度の共通テスト初年度は、それから考えるとさほど平均点が下がらなかったのですね。

だから、今年の共通テストは難しくなると考えている専門家の方が多く、私もそうかもしれないと思っています。

また予備校などの模試や、予想問題パックなども今年の問題は、実際の共通テストに完全に準拠したものは少なく、独自の予想を加えたものだったはずです。

大学入試センターが実施したテストは、試行テスト、実際の共通テストだけしかなかったのですから、サンプルが少なく予備校や出版社が全くそれと同じ形式で問題を作るだけでは十分な予想ができないと考えたからです。

共通テストの参考書、問題集も予備校や出版社から出されていますが、これも過去の問題の数が少ないために共通テスト完全準拠とうたいながら、かなり実際の問題とはかけ離れた問題が収録されています。

  • 問題が難化するかもしれない
  • 模試、予想問題パックが共通テストに完全準拠していない
  • 参考書、問題集も完全準拠をうたいながら実際はそうではない

しかし、これは全ての受験生に共通する条件で、自分だけそういう目に遭っているわけではありません。

受験勉強が間に合っていないからとどうしても夜更かししてしまう受験生がいるかもしれません。共通テストは、早朝から実施され真夜中に行われるわけではありません。

試験会場と開始時間をチェックして、当日起きなくてはらない時間を決めて、これから試験まで毎日同じ時間に起きて、太陽の光を浴びましょう。

やる気があっても試験当日にベストコンディションで受験できるわけではありません。ホルモンのバランスまでやる気ではコントロールできないのです。

今日から土曜日までは、体調のコントロールを必ず意識してください。

予想問題演習を繰り返すにしても、知らなかったこと、できなかったことに意識を向けるよりも、知っていたはずなのに思い出せなかったことなどの復習と時間配分に注意して学習してください。

 

 

 

直前の鬼勉強では医学部入試が運ゲーになる

高3の後期になってから駆け込みで指導を頼まれることがありますが、よっぽどのことがない限りお引き受けしません。

  • 英文法の基本が身についていない
  • 基本単語が覚えられていない
  • 重要構文が頭に入っていない

これらの3つがそろった状況では、それらを詰め込むだけで時間切れになってしまうからです。

直前に詰め込みを行っただけで合格できる医学部はありません。

それでも直前にどうしてもお願いしますと頼まれることがあって、お一人去年の10月に指導をスタートした受験生がいます。

関西の私立高校に通っていて、理数の成績は良いが、英語と国語が苦手。これまでは京大工学部を第一志望にしていたが、第二回の京大実戦、京大オープンの結果、英語がほぼ点数がないので、現役で京大工学部は無理だと判断。

共通テスト模試も英語、国語、地理は苦労しているが、理数はほぼ満点。共通テストの傾斜配点と、二次科目の配点を考えて、この状況でなんとか有利に戦えそうな国公立大学医学部を見つけたので、医学部志望に切り替えたという受験生です。

壊滅的な英語を短期間で、なんとか共通テストと二次試験で戦えるように仕込んでほしいと保護者の方にお願いされ、週一で指導しています。

高3で何度か受けた共通テスト模試では、リーディングは50点前後、リスニングも50点前後という話を聞いていました。

10月の初回授業では、共通テスト模試をやってもらいました。確かにリーディングもリスニングも50点前後しか得点できていません。

形式に慣れていないという可能性もあるので、初回は共通テストの全体的な時間配分、大問ごとに問われている能力、問題文を読む時のメモの取り方、選択肢の切り方など、共通テスト特有の技術論を指導しました。技術論と時間配分についての注意だけで20%くらい成績が上がる生徒もいますから。

頭の回転も早く飲み込みもいいのですぐ理解してくれて、1年分を通してトレーニングさせる前に、大問単位で満点が取れるようになるまで大問1から課題をやってもらうと順調に得点が上がりましたが、すぐに伸びが止まってしまいました。

通っている高校で毎朝行われている単語テスト、熟語テストもサボりにサボりまくっていたし、長文の読み込みも十分に行っていなかったので、大学受験単語だけではなく、中学レベルの英単語も抜けまくっていたのです。

共通テスト模試のある大問が全く解けなかったというので、何がどう読めなかった、解けかなかったのかヒアリングしてみると、季節を表す英単語と月を表す英単語が全く頭に入っていなかったのです。日本の大学は秋学期開始にすべきかというテーマの問題だったので、これでは解けないはずです。

受験直前なのでこれまでの勉強のことは強く責めたりはしないのですが、流石に反省をうながしました。いくらなんでも酷すぎました。

中学で英語をサボっていたとしても、日常的に目にすることも多い単語なのだから、覚えていないと気づいた時点で努力すべきだった。ここまで放置したのは、学校や先生の責任ではなく、自分の責任だよ。明日までに必ず季節、月、曜日の英単語はスペルも発音も合わせて完璧に暗記してしまいなさいと指導したわけです。

翌日にはちゃんと覚えてくれたので褒めました。さらに1500語程度の中学英単語フラッシュカードを渡して、覚えてる単語と覚えてない単語を分ける。覚えていない単語は1週間で覚えてしまうようにと指示。これもやりきってくれました。

彼が通っている高校では12月の半ばから2日に1度、共通テスト模試のパック演習をしているので、毎回点数をLINEで送ってもらうのですが、年内にリーディング70点まで順調に伸びたあとは点数の伸びが止まってしまっています。

共通テストレベルの単語は頭の中に入ったものの、これまでと違って勘で解くのではなく考えることができるようになったので読解のスピードが落ちてしまうわけです。試験時間内に最後の問題まで解くことができなくなっている状態です。

読解の正確さとスピードは反比例しますからね。

今日授業があったので、最後の1週間で何をすべきか。どういう意識で問題を解き、何を基準にして自分の学習の進捗を判断すべきかの話をしました。

ここまでくると、大問単位で時間調整をする、どこかので大問でミスを減らすなど毎回テーマを設定して問題を解きまくるしかありません。3ヶ月前に5割しか得点できなかったのに、それで9割、悪くても8割まで得点できる生徒は多くありません。どうしても当日の運に頼ることになってしまうのですね。

もちろん共通テストは来週なのでまだ当日のことは分かりません。

医学部を含む旧帝、旧帝以外の国公立医学部、私立医学部を目指している高1、高2のみなさん、英語と数学は最後の最後に鬼勉強をしても安定的に成績を上げることが難しい科目です。

ごまかしでない学習をできるだけ早期に習慣づけて、受験を運に任せないように計画的に学習してください。

 

川崎医科大学の卒業留年の人数を知って思い出したこと

川崎医大は過去30年くらい毎年、教え子の医学部志望者を合格させてもらっているので感謝の気持ちがあります。

川崎医大に進学した受験生のことで思い出すことはたくさんあります。

  • 附属高校から川崎医大に進学し、2年で放校。医学部専門予備校で2年間勉強し近大医学部に進学。留年を繰り返し卒業。MECに2年通って医師国家試験を目指すも、マッチングで近大病院にも拾ってもらえない。
  • 附属高校から川崎医大に進学し、毎年留年しながら結局12年通って最後の学年で放校。医学部専門予備校で1年勉強し、松本歯科大学に進学。
  • 私が出講している関西の私立高校から現役で川崎医大に進学。気立の良い女子だったが6年次に妊娠、国試直前に川崎医大病院で出産。国試合格後に川崎医大病院で初期研修。
  • 私が出講している関西の私立高校から1浪で川崎医大に進学。留年を繰り返し、6年後に放校。大阪の医学部専門予備校で1年勉強し、愛知県の私立歯学部に進学。
  • 再受験で川崎医大に進学。国浪し大阪のMECで1年勉強の後に京大病院にマッチ。大阪の市中病院で2年勤務、大阪の財閥系病院で2年勤務後にクリニック開業。その後、川崎医大大学院に復学。

川崎医大出身の保護者でも思い出すことがあります。

  • かなり入りやすかった時代の川崎医大に進学し、整形で開業。息子を医学部入れたいと思い、大阪の医学部専門予備校に通わせるが4年で無理だったので福岡歯科大に進学させる。福歯は6年で卒業。現在は関西の大学病院に勤務。
  • 川崎医大を卒業し、大学近くで開業。母親も研究者として川崎医大に勤務。娘を岡山県の私立進学校に進学させ医学部に進ませたいと思うも現役では無理。広島の医学部専門予備校に1年間通わせても無理で、京都の医学部専門予備校に通わせても無理。以降の消息は分かりません。

出講している大阪の医学部専門予備校や私立高校の受験生の中で、川崎医大に進学したいと直前の勉強を必死にやっている人がいるので、今回の卒業留年の割合や、過去の医師国家試験の合格率を見せて直前のやる気をくじきたくありません。

大学進学後のことをは、進学したあとの自分の頑張りが決めることです。こういう言い方は抵抗のある人もいますが、資格は取ったもん勝ちです。

医学部に入る時期は早ければ早いほど働ける期間は長くなります。

川崎医大は学費も高いので、川崎医大は受験せず他大学しか受験しない生徒もいますが経済的に問題がないなら川崎医大も受験して1年でも早く進学した方がいいです。

40代、50代のドクターと受験時代の話をすると、大学にこだわって何年も浪人したが今から考えると子供っぽい考えだったと聞くことがあります。

例えば東大理3、京大医学部、阪大医学部にこだわって駿台で浪人を繰り返したが、医学部入りそののち勤務医をしても開業するにしても、本当に出身大学で差はない。卒後、自分がその分野でどれだけ仕事をするかの方がよっぽど重要だと言うドクターばかりです。

自分の専門分野でも東大を出てるから、京大を出てるかといって活躍の度合いが変わるのでわけでは全くないと。私立医大でも同じことだと思います。

国公立大学の受験生は共通テストが近づいています。私立医学部の入試日も近づいてきました。

後悔のないように最後までしっかり勉強して合格し、進学後には後の充実した人生のためにしっかり努めてください。