京都大阪の医学部専門英語講師ブログ

対面、オンラインで意欲ある医学部受験生のための医学部受験英語を指導しています。2023年度中に医学部専門予備校の設立を予定しています。

共通テスト1日目の自己採点は百害あって一利なし

私が指導している受験生には毎年言っていることです。

共通テスト1日目の夜に自己採点するのは百害あって一利もありません。

やめた方がいいです。

強い言葉を使うと、愚の骨頂ですね。

受験生の気持ちもわかるんですよ。

模試や予想問題パックは解いたその日に自己採点しますから。

結果はすぐ知りたい。

できない問題があったけどひょっとしてできていたかもしれない。

会心のできで、いつも以上に得点できた気がするからすぐに点数を知りたい。

こういう気持ちですね。

でも、共通テスト(センター試験)の本番は違うんです。

翌日には二日目の試験が待っているわけです。

模試や予想問題パックは、結果が悪くても本番ではないんだから、心の中で言い訳ができます。

  • これは本番じゃななくて模試なんだから
  • 予想問題パックなんだから
  • 本番ではもっと得点できるはずだ

どれだけ点数が悪くても、たとえ根拠が薄い自信でも、まだ前向きに考える余地があります。

しかしこれは共通テスト本番ですよ。

もし失敗してしまって、その日の夜に結果を知ってしまったら、翌日の試験に向けてモチベーションを上げられる人はいません。

試験最中に緊張するのはもちろんですが、もっとも緊張するのは自己採点に取りかかる時です。

過去1年間の学習結果を知ることになるし、志望校に出願できるかどうかに直面することになります。

1日目の夜に大手予備校が解答速報を発表しますが、見ないようにしましょう。

昨年度と比べて問題が易しかったから難しかったか、予備校が講評を発表しますが、これも見ないことをおすすめします。

その気がなくても、SNSで、講評や受験生の感想が流れてきて目に入ってしまうこともあります。

2日目の朝刊にも解答速報が載りますが、これも目に入らないようにしてください。

これも見るのはやめた方がいいです。

自己採点の結果、悪くない点数だったとしても小さな取りこぼしは必ず起こります。

これはそういうものです。

もっと取れたはずなのに取れなかったという気持ちが翌日に悪い影響を残しますから。

じゃあ、絶対の自信があって1日目の結果はきっといいはずだと予想できる場合はどうでしょうか?

この場合でも2日目の試験の前に、1日目の試験科目の自己採点は有害です。

1日目の科目が思った以上に得点できた場合には、これで大丈夫だという気の緩みが出てしまうからです。

私の場合はこれでした。

当時は1日目に、英語、数学、国語が実施されていました。

また当時はインターネット以前の時代だから、1日目と2日目の夜にテレビで解答速報の番組が放送されていたのですね。

自分が予備校で習っている先生がテレビに出演し講評を行って、解答速報が発表されるのだから何の疑いもなく自己採点しました。

周りの友人たちもみんな1日目の夜に自己採点していました。

共通テスト(センター試験共通一次試験)の1日目に自己採点することの有害性が認知されていない時代でした。

自己採点の結果、満点を狙いにいった英語は予想通り200点、一番苦手で直前でも本当に苦労した数学は過去最高点の160点、得意だった国語は1問ミスで197点。

模擬試験でもこんな合計点数は取ったことがありませんでした。

本当にうれしかった。

でもこれが良くなかった。

初日で93%も取れると思っていなかったので、完全に安心してしまったんですね。

2日目は社会が2科目(合計200点)、理科が2科目(合計200点)。

当時は1000点満点の時代です。

1日目にこれだけ取れれば、目標の83%は取れるだろう。

社会と理科は、これまでの模試で取っていた点数を下回っても目標点数は取れる。

こう思って、家族と夕食を食べているときにリビングのテレビで放映されていた映画を見始めました。

前から見たいと思っていた映画です。

最初の10分で引き込まれました。

夕飯は9時半には食べ終わっています。

勉強部屋に行って、2日目の社会と理科の勉強をしないといけない。

でもこの映画を最後まで見てしまったんです。

今調べてみました、143分もある映画です。

9時に始まったので、11時半まで観ました。

本当に面白い映画でした。

これまでに見た映画の中で自己ベスト5に入る映画です。

社会と理科は暗記科目です。

その時間に復習をしていればよかった。

映画を観たあと、すぐに寝ればよかった。

でも1日目の点数が過去最高によかったことと、映画が面白かったことで興奮しているのか寝付けないわけです。

結局眠れたのは午前2時。

試験会場は遠く、会場近くは雪の予報が出ていたので5時台には起きないといけません。

2日目の社会と理科の手応えはよくありませんでした。

でも1日目の点数があるから、きっと大丈夫だろうと思っていました。

でも帰宅して自己採点したら、世界史が28点だったんです。

生まれて初めての点数に、生まれて初めて、文字通り膝から崩れ落ちました。

1日目のアドバンテージは吹き飛んでしまい、合計点数は80%になりました。

結果、志望していた京大は受験できなくなってしまいました。

原因は前日の過ごし方だけではなかったと思います。

でも自己採点さえしなければ。

1日目の点数を知って気が大きくなって最後まで映画を見て夜更かしさえしなければ。

ひょっとしたら。

その気持ちがなくなりません。

なので、受験生のみなさんには共通テスト(センター試験)の1日目の夜には自己採点しないことを心からすすめています。

点数が悪かった場合はもちろん悪影響があります。

でも点数が良かった場合にも慢心してしまうことがあります。

受験生には私と同じ間違いを繰り返してほしくありません。

 

では、どう過ごすのがいいかですね。

これはいつも通りに過ごすのが一番です。

勉強するなら暗記科目はどうですか?

ほとんど覚えている項目を復習することで、気持ちが落ち着きます。

模試は本番のように、本番は模試のように。

1日目の夜に自己採点をして、人生最大の絶望とか、人生最大の興奮を経験することは翌日の試験結果に必ず影響します。

そしてその影響がプラスに働くことはまずありません。